♪さよなら三角、またきて四角……
その「また」じゃないけど、「股」を三省堂『全訳 漢辞海』(第4版)を引くと、
とある。これは辺だ……じゃなくて……変だ。
『九章算術』巻第九「句股」に、
一、いま(直角三角形の)句は三尺、股は四尺である。それでは弦はいくらか。答にいう、五尺。……句股。術にいう、句と股のおのおのを自乗し、それを加え合わせ、平方に開けば、すなわち弦である。……(大矢真一訳、世界の名著12『中国の科学』所収)
とあるとおり、直角三角形において、
- 「股」:直角を挟む二辺のうち長い方
- 「句」:直角を挟む二辺のうち短い方
- 「弦」:最も長い辺(現代の用語では「斜辺」)
のはず。
『漢辞海』は「句」項で「❶{数}不等辺直角三角形の最も短い辺」としている。「股」項の記述は、ここの「最も短い」につられてしまったのではなかろうか。
なお、上に引いた『九章算術』の訳注によると、和算では「句」を「勾」と書くことが多いそうだ。「勾」は「句」の異体字(口がムになるのはよくある)だけど、だんだん別字として扱われるようになった文字。宮城県庁の前の「勾当台公園」が懐しい。小さな野外音楽堂があって集会や小音楽会でよく使ったのだ。






